3か月のフレックスタイム制ってどんなメリットがある?

フレックスタイム制の法改正(労働基準法32条の3)があり、
最長3か月単位のフレックスタイム制が
認められるようになりました。

ちなみに、最長3か月ということですから
例えば、2か月単位でもかまいません。

平成31年4月1日が施行日です。

なお、通常のフレックスタイム制についての解説は
以下の記事で書いていますので、
以下の記事をお読みください。
フレックスタイム制の弊害と対策について

最長3か月単位のフレックスタイム制導入の経緯

フレックスタイム制は(他の制度に比べて)
知らない方が少ない制度だと思います。

例えば、裁量労働制や変形労働時間制

これらの制度に比べるとフレックスタイム制は
多くの方がご存じな制度だと思います。

しかし、知名度に比べてフレックスタイム制
の導入はあまり進んでいないようです。

以下のようなデータがあります(平成25年度)

導入企業割合 5%
適用労働者割合 7.9%

そこで、導入している事業場に
「フレックスタイム制に不便を感じたことがあるか?」
というアンケートを取ったそうです。

47.9%の事情場が「不便を感じたことがある」と答えたので、
具体的見直すべき点をうかがったところ、

94.2%の事業場で「精算期間が(1か月では)短い」という回答!!

確かに、複数月のフレックスタイム制が認められると

育児介護等の事情があっても育児介護と両立した働き方
ができるようになります。

3カ月(複数月)のフレックスタイム制とはどのような制度か? そして、メリットは?

言葉は正確ではありませんが、
1日、1週間、1月で、労働時間を考えるのではなく、
3カ月で考えましょう!というものです。

通常は、以下のように労働時間を定めますよね。

9時~18時で1日8時間
月曜日~金曜日で週40時間

フレックスタイム制は、月で労働時間を決めます。

したがって、1日、1週間の時間外労働は発生しません。

3か月単位のフレックスタイム制は
1か月でも考えず3か月で考えましょう!
というものです。

例えば、2月、3月、4月の3か月で
フレックスタイム制にした場合で説明します。

2月 160時間(28日の月)

3月 177時間(31日の月)

4月 171時間(30日の月)

160+177+171=508時間

3か月で508時間働いてくれれば、
何時に来て何時に帰っても良い!
という制度になります。

したがって、例えば、以下のように働いたとします。

2月 180時間労働

3月 177時間労働

4月 151時間労働

3か月合計で、508時間

今までであれば、2月に180時間働いたら、
20時間分の割増賃金を2月に払わないといけませんでした。

しかし、3か月単位のフレックスタイム制は、
3か月トータルで508時間に収まっていれば、
割増賃金の支払いは不要になります。

例えば、子供が夏休みの月(8月)には少なく働き、
7月、9月は多く働いて調整するなんてことも可能になります。

忙しい3月の決算の時期に多く働いてもらい、
暇な2月には少なく働いてもらうなども可能です。

会社ごとに様々なアイデアを出して活用できるかもしれません。

複数月のフレックスタイム制は過重労働防止の観点から歯止めが必要

ただ、通常のフレックスタイム制よりも歯止めは必要です。

フレックスタイム制は時間外労働を1日・1週間の単位で考えず、
精算期間で考えるという制度です。

つまり、1日、1週間の時間外割増賃金
は発生しない(精算期間で考える)ということになります。

それが精算期間を見直し最長3カ月になるということは
1か月の時間外割増賃金も発生しないということになりますよね。

3か月経った時点で時間外労働を考えるのですから。

すると、2月、3月、4月の3か月でフレックスタイム制を導入した場合、
ある月の労働時間が極端に長くなるということになりかねません。

これは、過重労働の危険があるのでマズイということで、

清算期間が1カ月超の場合には、
1か月の時間外労働が週平均50時間を超えたら
その時間外労働の割増賃金は「その月に」
支払うことが必要になりました。

以下の通達に記載があります。

清算期間を3箇月以内に延長することにより、清算期間内の働き方によっては、各月における労働時間の長短の幅が大きくなることが生じ得る。このため、対象労働者の過重労働を防止する観点から、清算期間が1箇月を超える場合には、当該清算期間を1箇月ごとに区分した各期間(最後に1箇月未満の期間を生じたときには、当該期間)ごとに当該各期間を平均し1週間当たりの労働時間が50時間を超えないこととしたものであること。(平30.9.7基発0907第1号)

また、フレックスタイム制の場合にも、
使用者には各日の労働時間の把握を行う責務
がなくなるわけではありません。

しかし、清算期間が1箇月を超える場合には、
労働者が自分の毎月の時間外労働時間数を
把握しにくくなることが心配されます。

そこで、「使用者は、対象労働者の各月の労働時間数の実績を
対象労働者に通知等することが望ましい」という通達が出されました。

また、フレックスタイム制の場合にも、使用者には各日の労働時間の把握を行う責務があるが、清算期間が1箇月を超える場合には、対象労働者が自らの各月の時間外労働時間数を把握しにくくなることが懸念されるため、使用者は、対象労働者の各月の労働時間数の実績を対象労働者に通知等することが望ましいこと。(平30.9.7基発0907第1号)

望ましいとなっていて義務ではありませんが、
これは、会社にとって必須だと思います。

例えば、「3か月目に入った時点で労働時間がかなり不足している」
となったら会社としても困ると思うからです。

最後までお読みいただきありがとうございました。