就業規則 残業及び割増賃金

完全週休二日制が困難な会社は、就業規則で変形労働時間制を導入しましょう

1年単位の変形労働時間制は
完全週休二日制を導入することが困難な
会社様が多く採用している制度です。

現在、多くの企業で完全週休二日制を
導入されていますよね。

つい、何十年か前までは
お休みは日曜日だけでした。

時代は変わり完全週休二日制が
普通になりました。

しかし、中小企業の中には完全週休二日制を
導入するのが難しい会社が多い現実があります。

休日数を法律上最も少なくするには
この制度を導入することになるでしょう。

1年を平均して40時間以内におさまっていれば、
ある特定の週、ある特定の日に40時間、
8時間(法定労働時間)を超えても良い。

そのような制度です。

労働基準法32条の4に
規定されている制度です。

もちろん、この制度を導入する際には
就業規則に記載することが必要になります。

しかし、それと同時に大切なことがあります。

国が定めたルールで運用を行うことが必要です。

この制度は、就業規則に記載したら、
あとは自由に行ってよいというものではないのです。

様々な縛りがあります。

制度を導入するということは
就業規則の条文を作成することではありません。

導入にはきちんとした制度の理解
や現実的な運用方法が必要なのです。

私がご依頼を受けた際には、
説明資料を作成して運用を行いやすくする
ご提案をしています。

これがとても大切になってきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

歩合給にも割増賃金の支払いが必要ですが、計算方法が違います

歩合給は「出来高払い制その他の請負制 によって
定められている賃金」に該当します。

歩合給(出来高払い制)などを会社として
導入している会社は多いと思いますが、
歩合給に対しても残業代の支払いが必要です。

歩合給の割増賃金の計算方法

しかし、その割増賃金の計算方法は
通常の賃金の計算方法とは違います。

歩合給の場合は通常の計算方法と異なり
割増賃金が圧倒的に少なくなります。

その計算方法を正確にご存じの方は
非常に少ないので解説させていただきます。

歩合給の割増賃金の計算方法が違う
というのは「必ず」覚えておいてください。

歩合給の割増賃金の計算方法は以下のような扱いになります。
まずは、ご覧ください。

「賃金が出来高払い制その他の請負制(歩合給)によって
定められている労働者に関しては、時間外労働があった場合でも、
通常賃金部分(100%)は既に支払われているため、
100%部分の賃金の支払いは不要である。」

つまり、出来高払い制その他の請負制(歩合給)によって
定められている賃金ということになれば、

時間外労働をした場合の時給部分である
「1」の支払いが不要になります。

割増賃金として0.25の支払いのみで
かまわないということです。

しかも、出来高払い制その他の請負制(歩合給)
によって定められている賃金については、

「賃金計算期間において、出来高払い制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、
当該賃金算定期間における総労働時間で除した金額に…」
となっています。

つまり、割増賃金を計算する際に、会社の所定労働時間で割るのではなく
総労働時間で割ることになっています。

例えば、会社の所定労働時間が170時間で、その従業員の残業時間が60時間だった場合には、
170時間ではなく230時間で「出来高払い給」を割って
時間外労働の割増賃金を計算するということです。

歩合給の割増賃金の計算方法が他の賃金と違う理由

なぜ、このような計算方法になっているのかというと、
出来高払い制その他の請負制(歩合給)
によって定められている賃金は
仕事の成果に対して支払われるものだからです

賃金が歩合給で支払われている労働者は
時間外労働があった場合にも、

通常の賃金部分(100%の部分)は
既に(歩合給という)賃金として支払われているために、
100%の部分についての支払いは不要
だということです。

したがって、0.25の割増部分のみの支払いで良くなりますし、
230時間で割れば良いということになります。

年俸制のように成果主義賃金として
まったく意味をなさない制度とは違い、
成果主義賃金の一つの形態です。

歩合の設定の仕方は「自分でとってきた仕事の〇%」
という以外にもいろいろ考えられますので
会社にピッタリの歩合の設定を考えましょう。

なお、歩合給を導入は就業規則作成(賃金規程作成)し、
そこへ記載しておくことが必要なのは言うまでもありません。

年俸制が成果主義賃金としてまったく意味をなさないというのは
↓↓↓以下の記事で書いています。
年俸制にまつわる疑問(残業代の支払い、メリット、想定した社員)

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

その他の関連記事
完全歩合給って違法ですか?

管理職手当の中に 深夜割増賃金を含めることは可能か?

先日、このブログで管理監督者であっても
深夜労働に対する割増賃金の支払いは必要
だと書きました。

管理監督者にも割増賃金の支払いは必要です

ただ、管理監督者に対しては
会社は管理職手当を
支払っているでしょう。

そこで、この管理職手当の中に
一定時間(金額)の深夜労働に対する
割増賃金分を含むという方法も可能です。

しかし、この「◯時間分を深夜割増賃金とする」
という方法は手続や運用を間違えると認められなくなる
ことがあります。

これはいわゆる定額残業代の問題になりますので、
同様の手続・運用が必要です。

厳密にきちんと行っていただきたいところです。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

管理監督者にも深夜割増賃金の支払いは必要です

管理監督者には時間外・休日労働割増賃金
の支払いは不要です。

これは、部長などという名称ではなく、
実態で判断します。

名ばかり管理監督者として
問題になりましたよね。

しかし、今回はその話ではなく、
深夜割増賃金の話です。

誤解してらっしゃる方がいますが、
管理監督者であっても深夜割増賃金
の支払いは必要です。

時間外割増賃金の支払いがいらないのに、
なぜ深夜労働に対しては割増賃金の支払い
が必要なのでしょう?

そう不思議に思われる方も多いようです。

時間外の割増賃金とは労働時間数に対して
支払われる割増の話です。

それに対して、深夜の割増賃金とは
深夜という時間帯に対して支払う割増の話です。

全く性質の違うものです。

やはり、人間は夜は寝るものであって
管理監督者といえども

深夜労働をした場合は割増賃金を支払いなさい!
ということなのだそうです。

この管理監督者の深夜割増賃金については
1.25で計算した額ではなく
0.25の支払いだけでかまいません。

また、深夜割増賃金は管理職手当の中に含む
契約にしている会社が多いですね。

以下の記事も合わせてお読みください。
管理職手当の中に 深夜割増賃金を含めることは可能か?

最後までお読みいただきありがとうございました。

販売や賃貸を行っている会社は残業対策が特に有効です~1日8時間、週44時間の特例

法定労働時間が他の業種よりも長い業種というのがあります。

つまり、その時間分は残業代の支払いが不要だということです。

法律で認められているにもかかわらず、
意外と知られていない業種としては・・

や賃貸を行っている業種で
10人未満の事業場です。

物には動産のみならず不動産も含まれます。

この業種は、1日の法定労働時間は8時間ですが
週の法定労働時間は44時間です。

つまり、労働基準法上週44時間まで働かせても
時間外割増賃金は不要な業種です。

そもそも、この特例が認められていない他の業種よりも
週4時間ほど時間外割増賃金を支払うことなく
多く働かせることが可能です。

変形労働時間制と併用することで
以下のようなシフトが可能になってきます。

週休2日制をとることができるのであれば、
基本は1日9時間とし週のうちで忙しくない1日
(月で言うと+αになります)を8時間として
シフトを組むことが可能になります。

9時間の日は休憩時間を1時間与えることで
拘束時間を10時間と設定することが可能になります。
これは9時出社で19時退社となります。

(週に1日(月でいうと+α)程度は拘束時間は9時間になります。)

しかし、多くの会社でその制度をご存じありません。
わざわざ、法律で業種をしぼって特例が認められているのにです。

建設業、IT業、物の販売を行っている会社、保健衛生業、サービス業
働き方も全く違うのです。

その業種ごとに様々な特例やその業種に合った制度を
労働基準法(及び通達)で設けています。

自社の業界に設けられている特例は
必ず押さえておく必要があります。

自社で行う際の注意点

ただ、かなりセンシティブなお話ですので、
自社で行う際には必ずご自身で調べてからにしてください。

例えば、先ほどの物の賃貸には
不動産が含まれると書きました。

では、いわゆる部屋を借りるときの
不動産屋さんがこの特例に該当するでしょうか?

自社に所有権がない不動産を賃貸する場合には
不動産の仲介・周施ということになり、
この特例の事業場には該当しません。

似たような業種に思えるかもしれませんが、
法的には全く異なったものとなります。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

絶対に知っておくべき業種別の法律(労働基準法)の特例

1年単位の変形労働時間制の運用

当事務所では1年単位の変形労働時間制の導入
をよく依頼されます。

この制度は残業代削減に効果を発揮しますがが、
中々休日数を与えられない事業所では、
この1年単位の変形労働時間制を採用するのが
1番かもしれません。

この制度は、1年で繁忙期と閑散期の激しい会社
のための制度だと思われがちですが、

完全週休二日制を導入できない会社を想定した制度です。

しかし、この1年単位の変形労働時間制は
割増賃金の支払いなどの面で運用が大変なので有名です。

振替休日も原則としてできませんし、
その他多くの縛りもあります。

やはり、専門家に依頼をした方が良いと思います。

しかし、ご依頼の際には1点だけ『絶対に』
ご確認していただきたいことがあります。

いつも思うことなのですが、

1年単位の変形労働時間制の運用まで含めて
サポートしてくれるかどうかのご確認は
最初の段階でしておいた方が良いと思います。

就業規則という書類の作成(もしくは、労使協定の作成)
としてご依頼をしていただく方がほとんどでしょうが、

「就業規則という書類(又は労使協定)は作成しました。
あとはご自分で調べて運用してください」
というのでは作成を依頼した意味がないと思うからです。

御社が欲しいのは法律に則って残業を削減したり、
週休二日制を採用できない場合に法律面をクリアしたりする
仕組みの導入でしょう。

就業規則という書類自体が欲しいのではないはずです。

なお、時間外割増賃金の支払い方について法律書を読んでも
「こんな運用はできない」と思われることもあるかもしれません。

確かに、そのような支払い方を実務で行うことは難しいです。

実は、そのような支払い方をしなくても
法的に有効で、かつもっと簡単に行う方法はあります。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。