1か月単位の変形労働時間制

なぜ、違法な変形労働時間制の運用(計算)が行われる?

1か月単位の変形労働時間制を
導入している多くの会社が
1か月単位の変形労働時間制を違法に
運用しているというデータがあるようです。

要するに、変形労働時間制の残業代の計算方法等が
違っているということです。

違法な運用をしていたら
追加で残業代の支払いを
求められることも出てきます。

インターネット上でも
「違法な変形労働時間制の運用を許すな!」
という言葉をよく見ます。

しかし、違法な運用をしている会社であっても
実は、そのその認識がなく行っている会社がとても多いです。

つまり、適法に運用を行っていると
思っている会社が多いということです。

では、なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか?

インターネットや書籍を見ながら
自力で就業規則の規定を作ったからのようです。

まず、インターネット上の情報は断片的な情報です。
それをつなぎ合わせても一つの構造物になりません。

また、本当に重要なことと些末なことを
同列に書いてあったりします。

どれが本当に重要なことなのかは中々わかりません。

また、良く分からない箇所があった場合、
人間は理解できない箇所は自分流に解釈して
読み流してしまうものです

しかし、そのような箇所ほどきちんと理解して
おかなければならない箇所です。

この制度は、専門家であっても難しい制度です。

なぜかというと、この制度は労働時間の原則
に対する例外としての制度だからです。

したがって、労働時間の原則に精通してる
ことが大前提となるのです。

多くの企業がその原則について
曖昧なことが多く、その結果として、
間違えて運用を行うことになるのです。

コンパクトにまとまったリーフレット
等は多くあります。

図などが多用されわかりやすいです、

しかし、そのようなリーフレットを見ても
わからない場合は、労働時間の原則を
おさえていないことが原因です。

つまり、学ぶ順番は以下の通りでなければならないのです。

1.労働時間の「基本」「原則」を押さえる
2.原則に対する「例外」である変形労働時間制等についてコンパクトにまとまったもので学ぶ
3.理解が足りない部分をインターネット等で仕入れる

しかし、違法な運用を行っている会社の多くが
もしくは、「3.」「2.」のみで学んでいます。

あとから労働基準監督署などに指摘され
追加で残業代の支払いを求められたのでは困りますよね。

何のために導入したのかと後から後悔しても遅いです。

手っ取り早く学ぶには、身近にいる労働時間に詳しい専門家に
ご相談するのが1番でしょう。

その際は、労働時間について詳しい専門家にしてください。
専門家にも専門分野がありますからね。

自社で学ぶ際には必ず労働時間及び休日の原則
から学ぶようにしてください。

・法定労働時間とは?
・所定休日と法定休日の違いとは?
・夏休みを特別休暇とするか休日とするかで時間外割増賃金の1時間の単価が違う理由は?
・代休と振替休日の違いとは?

もし、これらのご質問に即答できないようであれば、
労働時間(休日)の原則から学ぶ必要があるでしょう。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

関連
変形労働時間制とは何ですか?~1か月単位と1年単位
1か月単位の変形労働制と就業規則の関係

労使協定とは何か~就業規則との違いをご説明できますか?

労使協定とは何かご存じでしょうか?

就業規則を作成する際によく出てくる言葉ですよね。

就業規則との違いも含めてご説明いたします。
労働基準法で様々な規制を設けていますが、

「従業員が良いというならば、
例外を設けても良いのではないか?」

そういうものってありそうではないですか?

そもそも、労働基準法は労働者を
保護するためのものですから、

労働者が良いと言っているのにもかかわらず、
規制を加えたら却って労働者に不利益
になってしまう場面も想定されます。

そこで、従業員が良いというのであれば
『労働基準法の原則に対する例外』
というものを法律自体が認めています。

就業規則は法律の範囲内で
会社が定めるルールなのに対して、

労使協定は労働基準法の原則
に対する例外を認めてもらう
ための書類なのです。

しかし、「従業員が良いというなら何でも良い」
というわけではありません。

労働基準法では十数個に限った例外です。

その十数個は労働基準法に
手続等も詳細に決められています。

しかし、従業員全員の同意は必要ではなく、
「全従業員の過半数を代表する者」
との協定があれば良いことになっています。

(なお、労働組合の話は除きます。)

そして、口頭ではだめで
書面による協定が必要です。

それを労使協定と言います。

言葉は正確性に欠けていますが、
わかりやすくするために
あえてくだけた説明しています。

イメージとしてとらえてください。

なお、労使協定の中には労働基準監督署に提出する必要のある書類
とその必要のない書類があります。

労働基準法で定める十数個の労使協定の一覧が以下です。

労使協定一覧

・任意貯金 (労働基準法18条2項)
・賃金の一部控除 (労働基準法24条1項)
・1か月単位の変形労働時間制 (労働基準法 32条の2)
・フレックスタイム制 (労働基準法32条の3)
・1年単位の変形労働時間制 (労働基準法32条の4)
・1週間単位の非定型的変形労働時間制 (労働基準法32条の5)
・一斉休憩の適用除外 (労働基準法34条2項)
・時間外・休日労働協定(36協定) (労働基準法36条)
・割増賃金の代替休暇 (労働基準法37条3項)
・事業場外労働によるみなし労働時間制 (労働基準法38条の2第2項)
・専門業務型裁量労働制 (労働基準法38条の3)
・時間単位年次有給休暇 (労働基準法39条4項)
・年次有給休暇の計画的付与 (労働基準法39条6項)
・年次有給休暇中の賃金 (労働基準法39条7項)

これしかありません。
あっ、そうそう育児介護休業法など
他の法律で定められている
労使協定もあります。

そして、あえて色分けをしてみました。

お気づきでしょうか?

賃金労働時間(年次有給)休暇・休業に関するものが
ほとんどですね。

なぜでしょうか?

その理由については考えてみて下さい。

労使協定は、従業員の代表者と書面で協定をすれば、
労働基準法の原則に対する例外を認める
というものですから、

全ての労使協定がどのようなものであり、
どのようなときに結ぶ必要があるのかぐらいは
おさえておきましょう。

1個1個の労使協定については調べれば
ご理解いただけると思います。

ここで、大切なのは「労使協定とはどういうものか」
という理解です。

これを押さえていないことには
いくら知識を詰め込んでも意味がありません。

なお、これは余談ですが、
上記条文に「第32条の2」などと「の」
ってありますよね。

この「の2」はどういう意味でしょうか?
32条第2項とは違います。
33条という意味でもありません。

これは、法改正により条文が新たに追加
された場合に起きることです。

32条の後に新たに条文を追加したいとき
33条としてしまうと、

今まであった33条が34条となり、
34条が35条となり、・・
と全ての条文が1条ずつずれてしまいます。

それは、困りますので32条の2
として今までの32条と33条の間
に入れることにしているのです。

ワンポイント知識としておさえておいたいただく
と応用が効くのではないかと思います。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

関連記事(上記労使協定について詳しく解説しています)
年次有給休暇の計画的付与をご存知ですか?
裁量労働制とは何ですか?
1年単位の変形労働時間制と就業規則 ~休日数を最も少なくすることができる制度
36協定〜時間外・休日労働協定

1か月単位の変形労働制と就業規則の関係

残業削減に効果を発揮する変形労働時間制には、
主に1年単位の変形労働時間制と
1か月単位変形労働時間制があります。

(1週間単位というものもありますが、
採用している企業は極めて少ないので省略します。)

変形労働時間制については以下の記事をお読みください。
変形労働時間制とは何ですか?~1か月単位と1年単位

1年単位の変形労働時間制を導入するには
従業員の過半数を代表する者との書面による協定
が必要となっています。

一方、1か月単位の変形労働時間制は
就業規則で導入が可能となっています。
労働基準法 第32条の2に条文があります。

労働基準法 第32条の2
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、1箇月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が前条第1項の労働時間を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができる。

条文のアンダーラインが就業規則で導入可能
であることを示しています。

これは、どういうことでしょうか?

法律で違いが決められている以上、
それには意味があります。

労使協定は従業員の代表者と
話し合って協定します。

しかし、就業規則は会社が作成するものです。

従業員と話し合って作成することま
で要求されるものではありません。

つまり、1か月単位の変形労働時間制は
会社が決定して導入ができる
ということを意味しています。

なぜ、1か月単位の変形労働時間制は
会社が導入を決めることができるのでしょうか?

なぜ、1年単位の変形労働時間制と1ヶ月単位の変形労働時間制
で違いがあるのでしょうか?

不思議ではないですか?

こういった「なぜ?」に対して
きちんとお答えできることは本当に重要です。

制度を導入する際には従業員の方に
『導入の理由』をご説明することになると思います。

その際に、説得力がまるで違ってくるからです。

少し考えてみて下さい。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

1か月単位の変形労働時間制の割増賃金の支払い方

1か月単位の変形労働時間制という制度をご存知でしょうか?

この記事を検索を通じてお読みいただいているか方は
ご存知だと思います。

ご存知ではない方はこちらの記事をお読みください。
残業削減に絶大な効果を発揮する変形労働時間制とは

この制度は残業削減に絶大な効果を発揮するにもかかわらず
導入の要件などが非常に複雑です。

1年単位の変形労働時間制ほどではありませんが…。

特に、時間外割増賃金の支払い方が複雑です。

「割増賃金の支払い方(運用)が違法な
1か月単位の変形労働時間制は認められない!」

インターネットを見ても
そんな記事ばかり目につき、
面倒だから躊躇している会様も
あるようです。

しかし、ご心配には及びません。

法律書等に書いてあるような複雑な
割増賃金の支払い方をしなくても済みます。

実務上もそのような支払い方を
している会社は少数です。

では、どのように支払えば良いのでしょうか?

その答えは簡単です。

法律よりも常にほんの少しだけ
多めに割増賃金を支払えば良いのです。

割増賃金の支給額が法律を上回っていさせすれば
問題はないわけです。

法律通りの方法で計算した額よりも
常に割増賃金の額が上回り、

多く支払うことになる割増賃金の額も
ほんのちょっとですみ、

しかも、毎日の運用も楽な計算方法!

そんな計算方法をお考え伊ら抱ければよいと思います。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

関連記事
1か月単位の変形労働制と就業規則の関係