定額残業代の計算サイトを有効に活用するには? ~基本給に残業代を含む計算サイト

定額残業代を計算するサイトがあるようです。
定額残業代は固定残業代と呼ばれることもあります。

基本給に残業代を含むようにしたい場合がありますよね。

便利な世の中になりました。

例えば、基本給30万円に30時間分の時間外割増賃金
(残業代)を含むようにしたいなどです。

しかし、現在は、「30時間分の時間外割増賃金(残業代)
を基本給に含む」と雇用契約書に記載しただけでは無効です。

30時間分の時間外割増賃金が
いくらに該当するかを明記しないといけません。

「30時間の時間外割増賃金(〇万円)を含む」
といった表記が雇用契約書に必要です。

しかし、実際に計算してみるとわかりますが、
残業代の計算の仕組みを理解していないと
これは計算できません。

30万円の基本給に対して30時間分の時間外割増賃金
がいくらになるかは簡単に計算できます。

しかし、その逆は簡単ではありません。
仕組みを理解していないと計算できません。

基本給総額 30万円
本来の基本給はいくら?30時間分の時間外割増賃金はいくら?

こういう内訳になっていますので、
本来の基本給の時給単価を方程式に当てはめて
ださないといけない訳です。

定額残業代の計算サイトは月間平均所定労働時間や
定額残業代を何時間に設定したいか?
等を入力すると自動で出てきます。

計算間違いもありませんし、
非常に便利です。

定額残業代の計算サイトを利用する際の注意点

当事務所に定額残業代のことでご相談いただいた会社様
の多くがそういったサイトの存在をご存じでしたが、

きちんと仕組みをご理解せずに使用したために、
結果として、法的に問題のある状態になってしまった
会社様がとても多いです。

当然ですが、適正な数値の入力をしないと適正な出力にはなりません。
結果として問題のある状態(違法な状態)になります

例えば、『月間平均所定労働時間』を入力する際の
数値が誤っていて結果として出てくる数値が
法的に正解ではないものとなっていたなどです。

そもそも、月間平均所定労働時間とは何か?

なぜ、その月の所定労働時間を使わずに
年平均所定労働時間を使うのか?

定額残業代を100円単位で算出しているが、
なぜ、1円単位ではなく100円単位で算出することができるのか?

そういう基本的な仕組みの理解は当然のこととして
「なぜ、30時間分の時間外割増賃金がその金額になるのか?」
といった仕組みまで理解しておく必要があります。

定額残業代制度を使うのであれば、
社員にご説明して同意をとらないといけません。

しかし、従業員に質問された際に、
答えられないと困りますよね。

だから、きちんと制度の仕組みを
理解しておく必要があるのです。

また、雇用契約書への記載の仕方が法的に無効
であるケースが良くあります。

多くの場合、仕組みを理解していないことが原因です。

もし、万万が一、定額残業代が無効となったら・・大変です。

↓↓↓以下の記事をお読みください。

定額残業代が裁判で否定された場合、どうなるか? ~残業代の計算方法!

でも、定額残業代の仕組みを理解していれば、
エクセルを使って自社で計算ファイルを作れますので、
サイトの利用も必要なくなるかもしれませんね。

便利なツールは積極的に利用することをお勧めします。
しかし、使用する際には仕組みの理解が必要です。

全てのツールは活用(利用)するものであって、
頼りきってはいけないと私は思っています。

とりわけ、残業代は生活に直結しますので
一番トラブルになりやすいです。

必ず、仕組みを理解したうえでツールはご利用下さい。

定額残業代は残業代削減という観点からは意味のない制度

ただ、当事務所は、残業代削減という目的で
定額残業代を導入するのはお勧めしておりません。

残業代削減という観点からは定額残業代
(固定残業代)は意味がないからです。

↓↓理由はブログ記事で書いてきたとおりです
定額残業代に対する大きな誤解

上記の記事でも書いてありますが、
残業代削減という観点からは意味がないからといって
無意味な制度ではありません。

導入のメリットがあり
きちんと有効活用すればとても良い制度です。

実際、専門家である社会保険労務士事務所の求人をみても
定額残業代を支給しているぐらいですからね。

ただ、中途半端な形(完全な理解をしていない状態)
で導入するのであれば止めた方が良いと思います。

2023年追記 ご相談の内容の変化

コロナ禍で残業が減った
働き方改革の結果、残業が減った

そんな理由から定額残業代を廃止・減額したい
というご相談が増えました。

しかし、それは、不利益変更になります。

定額残業代は社員にとって有利な制度ですので
廃止や減額は不利益変更になります。

以下の記事をお読み下さい。

定額残業代の廃止・減額 働き方改革・コロナ禍で激増した相談

安易な導入はトラブルになります。
残業代の問題は人件費の問題です。

問題が生じたとき、
会社に与える影響が大きいです。

導入に不安があるなら
身近の専門家に相談してください。

当事務所でも無料相談を行っています。

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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございました。

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