懲戒解雇できない就業規則 ~従業員の懲戒とは

そもそも就業規則にあるそもそも懲戒処分とは何でしょうか?

すごくわかりやすく言うと、

会社のルールである就業規則に
違反した場合に加える制裁罰です。

したがって、就業規則を作成する際に、
重要になってきます。

ルールを作成しても従業員の方が
守ってくれなければ意味がないですから

ルールとセットのものになります。

その懲戒の記載をする際に、もっとも大切なことは何でしょうか?

どのようなときに懲戒を行うのか?(懲戒の事由)

どのような懲戒を行うのか?(懲戒の種類)

この2つを詳細に記載することです。

なぜなら、就業規則に記載のない事由
や種類の懲戒はできないからです。

以下の就業規則の条文があります。

何が問題でしょうか?

(懲戒の事由)

第46条 従業員が次の各項の一に該当したときは懲戒する。

1 やむを得ない理由なく、しばしば 欠勤、遅刻、早退等したとき

2 出勤不良、業務不熱心で上長の注意を受けても改まらないとき

3 許可なく会社の物品を持ち出し、または持ち出そうとしたとき

4 重要な経歴を偽ったり、またその他不正な方法を用いたりして入社したことがわかったとき

5 会社の秘密を洩らし、または洩らそうと計画したとき

6 暴行を行ったとき

7 禁固以上の刑法の刑が確定したとき

8 偽った内容の出勤簿を作成、提出したとき

9 業務に関し、不当に金品その他を受け取り、または与えたとき

10 他の社員と協調性に欠け、所属長の再三にわたる注意にも従わず態度を改めないとき

よくみる規定ですが何が問題でしょうか?

1.まず、懲戒の事由が網羅されていません。

例えば、会社のお金を横領した
従業員がいたとします。

会社としては懲戒したいはずです。

最悪の場合、懲戒解雇も検討しないといけないでしょう。

しかし、上記の就業規則の条文にはその記載がありません。

したがって、社員の横領行為に対して懲戒ができません。

これは、困るのではないでしょうか?

2.懲戒をあまりに限定しすぎています。

例えば、遅刻をした場合、始末書を提出してもらう必要があるでしょう。

つまり、懲戒処分をする必要があるでしょう。

しかし、上記の1では遅刻に対して「しばしば」と限定しています。

たった1回の遅刻では始末書を提出してもらうことはできません。

それでは、困るはずです。

また、「暴行」と限定していることも問題です。

言うまでもなく脅迫や侮辱行為等も対象にすべきです。

3.「服務規律に反したとき」を懲戒の対象にすることが必要です

この1文も必要ですね。

服務規律は社員が守るべき規則です。
それに反したら、懲戒処分を受けるという1文が必要です。

せっかく服務規律を就業規則に設けているにも関わらず
それが懲戒の対象になっていません。

何のための服務規律でしょうか?

4.絶対に必要な1文がありません

就業規則に懲戒の事由を網羅することは意外に大変です。

しかし、たった1文でそれを網羅することができます。

そのような1文が絶対に必要ですが、
その1文がありません。

以上、具体的な就業規則の条文を使って懲戒の規定をみてきましたが、
非常に多い規定例です。

多くの方が働く会社では職場の秩序が大切です。

秩序が乱れると困るのは会社だけではありません。

真面目に働いている社員も困ります。

きちんと懲戒規定を整備してください。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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