会社を守る就業規則 ~就業規則1文で大問題に発生します!

就業規則を見直す際には、
きちんと考えつくして就業規則の
条文を1行1行作成するでしょう。

抱えている課題があるのが通常だからです。

しかし、初めて就業規則を作成する際には、
深い意味もなく条文を作成している会社が多いです。

絶対に入れないといけない1文

入れると後ほどトラブルに発展する可能性のある1文

そんなこと意識せずに作成することがほとんどです。

従業員数が10人になったので
法律上の義務だから作成する。

そのような場合には会社として
もっと大切な経営課題があると思うので
仕方ないのかもしれません。

しかし、就業規則は社員との契約書です。

たった1文があるかないかで大きく意味が変わってきます。

就業規則の1文がどれほど重要か具体的に見てみましょう。

今は春の時期ですので、試用期間の条文で具体的にみていきましょう。

例えば、試用期間について以下のような条文があったとします

第 条(試用期間)
1 採用の日から3か月間の試用期間とします
2 試用期間中の者については、その業務の適正等を総合的に判断して本採用するか否かを決定します。
3 前項の決定基準には、出勤状態を勘案するものとします

この条文にはいくつか問題がありますが、
お気づきになったでしょうか?

少し考えてみて下さい。

できれば、10秒以内に2つ
あげていただきたいと思います。

それが試用期間のポイントになるからです。

上記条文の問題点

いかがだったでしょうか?

2つあがったでしょうか?

それでは、解説していきます。

試用期間の省略(短縮)・延長の1文をいれましょう

1番の問題点は試用期間を3カ月と
限定してしまっている点です。

もう少し判断が必要だと思う場合もあるでしょう。

しかし、3カ月と限定してしまっていたら、
延長することができません。

なぜなら、延長の1文がないからです。

試用期間の延長の1文をいれましょう。

逆に、3か月の試用期間の途中で「大丈夫だろう」
と判断したとしても3か月になってしまいます。

こちらは、会社が1カ月で良いと判断したら、
社員の方も反対はしないと思いますが、
入れておくことをお勧めします。

なぜなら、「私jのときは3カ月だったのに、
なぜ、あの人だけ試用期間が1か月なのですか?」
と他の社員に質問をされた場合に困るからです。

「就業規則なんて会社が守っていないのだから
自分だって守らないで良い!」

そのように考える社員が出てくるかもしれません。

1文入れいておけば良いだけです。

きちんと入れておきましょう。

試用期間の延長の条文

試用期間の延長についてもう少し見ていきたいと思います。

試用期間中は解約権留保付き労働契約として、
通常の解雇より広い範囲において解雇が
認められてしかるべきとされています。
三菱樹脂事件(最大判昭和48年12月12日)

したがって、試用期間を延長することができる1文が必要ですが、

では、試用期間の延長の条文を設けるとして
以下の条文に問題点はないでしょうか?

試用期間満了までに試用期間中の従業員の業務適性等に関して最終的な判断をすることが困難である場合、試用期間を延長することができる。

この条文は非常に問題です。

大切な3文字がありません。

その3文字がないと社員の方とのトラブル
に発展しかねません。

ここでは、あえてその3文字については触れません。

なぜなら、ほとんどの就業規則にはその3文字が入っているはずだからです。

御社の就業規則に試用期間の延長の条文があれば、
当然、その3文字が入っているはずです。

大切なのは、なぜ、その3文字がないと大問題になるか?

その理由です。

少し考えてみて下さい。

本採用の決定基準の問題点

第3項に本採用をする際に、
何を基準に考えるかを記載していますが、
これについても問題があります。

出勤状態に限定してしまっているという点です。

例えば、成績など他に考慮すべき
判断する要素はないのでしょうか?

就業規則は契約書です。1文字まできちんと作成しましょう

就業規則に記載していることには
会社も社員の皆様も縛られることになります。

だからこそ、きちんと正確に記載していただきたいと思います。

法律は1行どころか1文字まで考えつくされつくられています。

なぜなら、1文字で法律上の効果が違ってくるからです。

その1行(1文字)に膨大な時間議論を重ねて作成されます。

そして、立法趣旨に沿ってきちんと正確に表記されています。

言うまでもなく、就業規則は法律ではありませんが、
会社と社員の皆様の大切な契約書です。

「就業規則にはそんなこと書いてありません!」

社員の方に言われたら困りませんか?

一言一句考えつくして、そして、正確に表記することが必要です。

今回の試用期間の就業規則の例は、
多くの会社様が大丈夫だと思います。
あえて、そのような内容を選びました。

春の時期ですし試用期間中というのもありますし、
その方がわかりやすいだろうと思ったからです。

しかし、このように全ての条文を1文字に
至るまで丁寧に作成することが必要です。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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