社用車を社員が私用で事故~会社の責任は?

社用車(会社所有の車)を使用中の事故は起こりえますが、
会社としてはどのような対策を講じておく必要があるでしょうか?

社用車(社有車)の事故で考えられるケース

社用車の事故で考えられるケースを挙げてみます。

1.社用車を盗難され、事故を起こされる。
2.社用車を従業員が無断使用して事故を起こす。
3.社用車で通勤中に従業員が事故を起こす。
4.社用車を業務に使用し事故を起こす。

1.は従業員が起こした事故ではありませんが、
ざっと挙げただけでも上記のパターンが考えられます。

社用車(社有車)の事故で会社の責任

いずれのケースで会社が責任を問われるでしょうか?

様々なパターンを挙げましたが、
結論から言うと、社有車での事故については、
会社が責任を問われると思っておいてください

1.の盗難されたケースですら会社が責任を問われます!!

少しビックリではないですか?

したがって、2.以下は会社の責任はより
広く認められることは当然とも言えます!!!

従業員が社用車を無断で私的に使用にした場合の事故
についてまで責任を問われるのは厳しいですね。

日頃の運行状況・管理状況により異りますが、
会社の責任が肯定されるケースが多く、
否定されたケースは本当に限定的です。

否定されたケースはとんでもない
事案だと思っておいてください。

そう考えておいていただくのが
会社のリスク管理として重要なことだと思います。

会社として取るべき対策

原則として会社が責任を負うのです。

従業員による社用車の無断使用
が生じないようにする工夫が必要です。

社用車の使用については就業規則で
許可制とするのは当然です。

鍵の一括管理も必要でしょう。

鍵をきちんと一括管理しておけば
プライベートでの使用も難しいですし、
鍵のかけ忘れによる盗難も減ります。

違反者には懲戒処分をかすことができるように
就業規則を整備してください。

社用車で社員が事故を起した際の対応策

また、会社が責任を問われることを考えると
従業員が社用車で事故を起こした際のことも
想定しておかなければなりません。

事故時の対応も従業員に徹底しておく
必要があります。

事故時の対応として重要なポイントの一つは、
社員が独断で事故の対処をしないように、
直ちに「会社への報告」させることです。

社員の方が会社に無断で(つまり、勝手に)
示談をされたりしたら困ります。

社員教育の重要性

事故時の対応に限ったことではありません。

会社が責任を問われるのですから、
普段からの社員教育がとても重要です。

就業規則に社用車の取扱いや
注意事項を記載しても良いですが、

社用車の規定を別規程(車両管理規程)として、
それを使って社員教育を行う
ようにするのが効果的です。

私は子供の頃、車に引かれたことがあるからか、
私がつくる車両管理規程は厳しすぎる
というご意見をいただきます。

しかし、車は現代社会において必須ですが、
本当に本当に車は怖いものです。

事故を起したら全ての人が不幸になります。
きちんとした対策をしておくことを強くお勧めします。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

執筆者
特定社会保険労務士 小嶋裕司

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