就業規則の周知とは ~就業規則をインターネットで公開する必要がある?

「就業規則はホームページで公開するものではないのですか?」

その様に誤解していらっしゃる方がけっこういるようです。

もちろん、WEB上で公開してはいけない
というわけではありませんが、

インターネット上での公開は
法律上求められてはいませんし、

また、就業規則はそういう性質のものではないのです。

そもそも、就業規則とは何か?

冒頭で就業規則はインターネット上で公開するものではなく
また、そのような性質のものではないと書きました。

それは、「就業規則とは何か?」に関係します。

御社の就業規則の第1条辺りに「就業規則の目的」
という条文があると思います。

読んでみて下さい。

例えば、当社労士事務所が作成する際にも
就業規則にも次のような1文を入れます。

御社の就業規則にも似たような条文があるはずです。

第1条(目的) この規則は、〇〇株式会社の労働条件を明らかにすること、及び会社の秩序を維持することを目的とし、社員の就業に関する事項を定めるものである。

実際の就業規則をご覧いただければ、
ご理解いただけると思いますが、

就業規則とは労働者の労働条件・就業に関する基本的事項を定めるのものです。

就業に関する基本的事項=就業上のルールとお考えください。

ですから、その労働条件や会社で働くルールを従業員の方が
きちんと認識できるようにしておくことが大切であって
また、それで足りるのです。

社員と会社の労働条件(の詳細)を
一般に公開する必要はないですし、
働く上でのルールも同様です。

働いている社員に周知する必要はありますが、
全く関係のない部外者である第三者に
公開する性質ものではないのです。

もちろん、求職者の方などに向けて自社のことを知ってもらいたくて
一般に公開しても構いませんし、

実際、会社のことを知ってもらいたくて、
一部を公開してる企業は増えてきているようです。

就業規則の周知義務

ただし、ご存じのように就業規則は労働基準法106条で
労働者に周知しないといけないことなっています。

就業規則とは何かを考えれば当然ですよね。

労働条件や働くうえでの基本的事項を社員が知らない・・

それはありえません。

そして、その周知方法は労働基準106条で具体的に定められています。

就業規則の周知方法

労働基準法106条は以下の通りとなっています。

(労働基準法第106条)法令等の周知義務
使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第十八条第二項、第二十四条第一項ただし書、第三十二条の二第一項、第三十二条の三、第三十二条の四第一項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第一項、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、第三十八条の三第一項並びに第三十九条第四項、第六項及び第七項ただし書に規定する協定並びに第三十八条の四第一項及び第五項に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。

条文が長すぎるので、整理すると以下の通りとなります。

常時各作業場の見やすい場所へ掲示
常時各作業場の見やすい場所へ備え付けること
書面を交付
その他の厚生労働省令で定める方法

その他の厚生労働省令で定める方法とは、
「磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、
かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する」
ことです(労働基準法施行規則52条)

ポイントは、上記のいずれかで良いのです。

会社に備え付けられていれば
それで周知しているといえます。

従業員の皆様に1部づつお渡しする
のが1番だと思いますが、

法律上はそこまでも求められておりません。

従業員の方々が閲覧できる
ようにしておくことが必要なのであって、
また、それで足ります。

今回のお話は当たり前のお話だったかもしれませんが、
誤解していらっしゃる方が多いようですので
詳しく解説させて頂きました。

就業規則とは何かから押さえていただければと思います。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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