着がえ(更衣時間)は労働時間ですか? ~本質的な理解が必要です

着替えの時間をめぐっては労働時間かどうか?
がよく問題になります。

着替えの前にタイムカードを押す社員に対して
「タイムカードは着替えの後に押すように!」
と言ったところ

「会社の制服に着替えるのですから
着替えの時間も労働時間ですよね?」
と言い返されてしまった。

このような事例はよくあります。

御社はいかがでしょうか?

この着替えが労働時間かについては

色々なところで「着替えは労働時間です」
と言われますね。

その一方、「労働時間ではない」という方もいます。

就業規則の「ひな形」などを見てみても
「着替えは労働時間ではない」
というようなルールを記載しているものもあります。

「一体どっちが正解なんだ?」
と言いたくなりますよね。

実は、両方正しいのです。

A社のルール下(条件下)では労働時間になっても、
違うB会社の違うルール下(条件下)では
労働時間にはならなかったりします。

そのルールが法令に沿った
ものであるかどうかが重要なのです。

ですから、「着替えは労働時間ですか?」
という単純なご質問にイエスかノーでお答えすることは
困難なのです。

就業規則や雇用契約書に「着替えは労働時間ではない」
と記載すれば労働時間でなくなるというものでもありません。

従業員の皆さんにご説明して同意を取れば良い
というものでもありません。

労働基準法は強行法規です。

労基法に違反しているルールになっていたら、
従業員の同意があっても無効です。

詳しくは以下の記事をお読みください。
労働基準法に違反する労働者の同意は違法(無効)なのか?

着替えのルールを作るためには、
労働時間(労基法)、ひいては労働契約(契約法)とは何か?
という本質の問題を理解していないといけません。

しかし、これを押さえると、
着替えに限らず全てに応用が可能になります。

また、本質的な理解があれば、
専門家のサイトにあるような難しすぎて
専門家以外よくわからない判例の解説も
すらすらと読み解くことが可能になります。

具体的には、以下の判例などですね。

「三菱重工長崎造船所事件」(最高裁平成12.3.9判決)

そして、個別具体的な事案で労働時間として
賃金の支払いが必要かについて、
自分でおおよその判断ができるようになります。

やはり、本質的な理解が最も大切なのです。

判断に悩む場合に1番効率的な解決方法

色々調べても、
「わかったようでわからない」
「結局、うちの会社はどうしたらよいのだろう?」
そのようなケースが多くないですか?

これでは、行動(改善)につながりません。

もし、御社がそのような状況なら、
経験豊富な専門家に聞いてしまうのが1番です。

それ以上の解決策はありません。

半年、社内で検討した挙句に、
残業代の未払い請求をされたのでは困ります。

もし、判断に悩むようでしたら、
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最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

執筆者
特定社会保険労務士 小嶋裕司

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