賃金テーブルを中小企業につくるメリット・デメリットは?【中小企業の適切な賃金制度】

「成果主義の賃金制度に移行したい」
「賃金テーブル(賃金表)を作りたい」

このような真逆のご相談を経営者の方から多くいただきます。

賃金制度は企業の未来を左右する重要な課題ですので、
経営者の皆さまが抱える悩みは深刻だと思います。

しかし、どのような賃金制度が最適かは、
企業ごとに異なります。

「会社としてどうしたいのか?」
や御社の業務内容に大きく左右されます。

そこで、今回は、中小企業が賃金テーブルを
導入するメリットとデメリットについて、
私の考えをお伝えしたいと思います。

1. 賃金テーブル作成のデメリット

若手社員を抜擢できなくなる

勤続年数に応じた賃金テーブルを導入すると、
若手の有能な社員を適切に評価しにくくなりがちです。
(言葉を変えると、抜擢しずらくなります。)

固定的な賃金体系にすると、やる気や能力の高い社員から不満が出てきて
結果として優秀な人材の流出につながるリスクがあります。

特に、中小企業では人材が全てといっても良いため
このような不満は企業全体に大きな影響を与えかねません。

現代社会の変化に対応できなくなる

現代社会は急速に変化しています。
従来の勤続年数に基づく評価方法が
必ずしも適切であるわけがありません。

技術革新や市場の変動に対応するためには、
柔軟な賃金制度が求められます。

全ての業種が経験年数だけでスキルアップするわけではなく、
多様な能力や成果を評価する必要があります。

2. 賃金テーブル作成のメリットがある場合

特定の業種・職種では有効

一方で、経験年数によって
確実にスキルが向上する職種も存在します。

例えば、職人の技術職や特定の専門職では、
長年の経験がそのまま技術力の向上につながります。

このような場合、勤続年数に応じた賃金テーブルは
社員のモチベーション維持に有効です。

社員が自分の成長と賃金の上昇を実感できるため、
長期的なキャリア形成にも寄与します。

賃金テーブルを作成した方が良い業種の具体例

熟練度が賃金に直結する業種では、
賃金テーブルが社員の成長目標となり得ます。

例えば、技術職や専門職では、
10年もスキルが上がらないというケースはありませんよね。

求められる能力が劇的に変わることも少なく

経験を積むことで確実に能力が向上していくため、
賃金テーブルは公平な評価手段となりえます。

3. 中小企業に適した賃金決定方法

中小企業で経営者が果たす役割

従業員数が少ない中小企業では、
社長自身が社員一人ひとりを見て賃金を決めることが最も合理的です。

経営者は会社全体を俯瞰できる立場にあり、
その視点での評価には大きな価値があります。

社員の能力や貢献度を直接評価できるのは、
中小企業ならではの強みです。

経営者自らが賃金を決定することで、
柔軟かつ迅速な対応が可能となります。

上司の評価を活用

もちろん、全てを把握するのは難しい場合もあります。
その際は、直接の上司やチームリーダーの評価を参考にすればよく
それで、公平で賃金決定が可能になります。

上司の評価を取り入れることで、
客観的な視点からの評価が加わり、
賃金制度の信頼性が高まります。

また、上司とのコミュニケーションを通じて、
社員のモチベーション向上にもつながります。

4. 賃金テーブルのメリット・デメリットまとめ

いかがだったでしょうか?
賃金制度に唯一絶対の正解はありません。

業種や企業の状況、経営者のお考えで
適切な賃金制度は変わってきます。

しかし、賃金制度が重要だといういうことは変わりなく、
選択の失敗は大きな問題につながります

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最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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