賃金規程は就業規則とは別規程したほうが良いか?

賃金規程(給与規程)は
就業規則とは別に規定した方が良いですか?

それとも、就業規則の賃金の章に
規定した方が良いですか?

よく聞かれる質問ですが、
決まりはありません。

御社で自由に決定することができます。

賃金規程を就業規則と一緒に規定するデメリット

特に決まりはない以上、どちらでもかまわないのですが、
私は規程を少し厚くするのであれば、
全て別規程にすることをお勧めしております。

賃金規程を就業規則と一緒に規定するデメリットを挙げてみます。

賃金の規定を就業規則と一緒に規定すると必要な条文を探しにくい!

もちろん、就業規則の体系(見出し)
がきちんとしているのであれば、

就業規則の中に全てを規定しても
見たい条文がどこに規定してあるか
探しずらいということはないでしょう。

しかし、就業規則のプロでもない限り
中々就業規則の体系を意識した条文構成に
するのは難しいでしょう。

特に、社員が条文を探すのは非常に難しいです。

条文を探しやすくするためにも
別規程にした方が良いでしょう。

■賃金規程は社員に見てもらう必要はない?

もし、この記事をお読みの会社様が
「別に、社員に賃金規程を見てもらわなくてもよい」
と考える給与規程になっているならば、

会社の賃金に対する方針を明確にして、
賃金規程を作成することを強くお勧めします。

賃金規程は会社の賃金に対する考え方が
はっきりと伝わるものです。

賃金規程を見ただけで

「能力主義の会社だ」

「年功序列型の賃金だ」

そのようなことがわかります。

(もし、能力主義の会社なのに、
そのことが賃金規程からわからないのであれば、
それは法的にも問題です。)

また、賃金規程には社員に不利益なことも書いてあります。

➀賃金が支払われない時間や休暇

➁遅刻は30分単位で賃金を控除(減給の制裁)

➂昇給だけではなく降級もある。

このようなことも記載しているはずです。

社員に不利益なことは社員に一言一句、
みてもらわないと困りませんか?

なお、遅刻の30分単位での控除は一定の手続を経ないと違法です。

以下の記事をお読みください。
社員が遅刻した場合に違法な賃金の控除をしていませんか?

賃金の規定に1条追加しただけで就業規則全体の条文番号が変わってしまう

また、賃金の規程にたった1条新たな条文を
追加しただけでも就業規則全体の条文番号が
変わってしまいます。

56条を追加したら、
本来の56条が57条になり
本来の57条が58条になります。

別規程にするのであれば、
そのような必要はありません。

そのような理由からも
別規程にすることをお勧めします。

賃金の規定の一部の変更で就業規則全体の提出が必要になる

賃金の一部に変更を加えた場合、
労働基準監督署へ届け出る必要がありますが、

「賃金の一部のみを変えたにもかかわらず
就業規則全体の届出は面倒だ・・」
という方も別規程にする方が良いでしょう。

変更になった賃金規程のみの届出でかまいません。

ただ、これはデメリットというほど
のことはないかもしれませんね。

届出ないといけないという点では一緒です。

就業規則には体系図が必要です

非常に、多く受けるご質問なので
ここまで書かせていただきました。

しかし、ここまで、この記事をお読みいただいた方は、
賃金規程を別規程にするかどうかでお悩みなのではなく、
本当のお悩みは就業規則の体系をどうしたら良いか
わからなくて困っているということではないでしょうか?

実際に、体系図を作成して欲しいという業務のご依頼は
思いの外多いです。

就業規則の体系についてお悩みであれば、
以下の記事をお読みください。
就業規則の体系図 ~就業規則に矛盾が生じて困っています!

体系図を作成できるようになれば、
自然とこのようなお悩みは消えてなくなっているはずです。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

関連記事
賃金規程の良い雛形・規定例を探しても見つからない理由!
マイカー通勤中の事故で会社が責任を問われないために ~マイカー通勤規程は別規程にしましょう!
同一労働同一賃金ガイドライン案 ~正規と非正規社員の格差の是正

社員の貢献度・会社の方針・社会情勢の変化等に応じて賃金額を改定(昇給・降給)し、会社の業績も反映できる賃金規程作成