賃金規程は就業規則とは別規程にしたほうが良いか?
賃金規程(給与規程)は
就業規則とは別に規定した方が良いですか?
それとも、就業規則の賃金の章に
規定した方が良いですか?
よく聞かれる質問ですが、
決まりはありません。
御社で自由に決定することができます。
賃金規程を就業規則と一緒に規定するデメリット
特に決まりはない以上、どちらでもかまわないのですが、
私は規程を少し厚くするのであれば、
全て別規程にすることをお勧めしております。
賃金規程を就業規則と一緒に規定するデメリットを挙げてみます。
賃金の規定を就業規則と一緒に規定すると必要な条文を探しにくい!
もちろん、就業規則の体系(見出し)
がきちんとしているのであれば、
就業規則の中に全てを規定しても
見たい条文がどこに規定してあるか
探しずらいということはないでしょう。
しかし、就業規則のプロでもない限り
中々就業規則の体系を意識した条文構成に
するのは難しいでしょう。
特に、社員が条文を探すのは非常に難しいです。
条文を探しやすくするためにも
別規程にした方が良いでしょう。
■賃金規程は社員に見てもらいやすくする必要はない?
もし、この記事をお読みの会社様が
「別に、社員に賃金規程を見てもらいやすくなくてよい」
と考える給与規程になっているならば、
会社の賃金に対する方針を明確にして、
賃金規程を作成することを強くお勧めします。
賃金規程は会社の賃金に対する考え方が
はっきりと伝わるものです。
賃金規程を見ただけで
「能力主義の会社だ」
「年功序列型の賃金だ」
そのようなことがわかります。
(もし、能力主義の会社なのに、
そのことが賃金規程からわからないのであれば、
それは法的にも問題です。)
また、賃金規程には社員の皆さんに不利益なことも書いてあります。
社員に不利益なことは社員の皆さんに
みてもらわないと困りませんか?
賃金の規定に1条追加しただけで就業規則全体の条文番号が変わってしまう
また、賃金の規程にたった1条新たな条文を
追加しただけでも就業規則全体の条文番号が
変わってしまいます。
56条を追加したら、
本来の56条が57条になり
本来の57条が58条になります。
別規程にするのであれば、
そのような必要はありません。
そのような理由からも
別規程にすることをお勧めします。
賃金の規定の一部の変更で就業規則全体の提出が必要になる
賃金の一部に変更を加えた場合、
労働基準監督署へ届け出る必要がありますが、
「賃金の一部のみを変えたにもかかわらず
就業規則全体の届出は面倒だ・・」
という方も別規程にする方が良いでしょう。
変更になった賃金規程のみの届出でかまいません。
ただ、これはデメリットというほど
のことはないかもしれませんね。
賃金規程は届出る必要があるのですから
結局は一緒です。
就業規則には体系図が必要です
非常に、多く受けるご質問なので
ここまで書かせていただきました。
しかし、ここまで、この記事をお読みいただいた方は、
賃金規程を別規程にするかどうかでお悩みなのではなく、
本当のお悩みは就業規則の体系をどうしたら良いか
わからなくて困っているということではないでしょうか?
実際に、体系図を作成して欲しいという業務のご依頼は
思いの外多いです。
就業規則の体系についてお悩みであれば、
以下の記事をお読みください。
就業規則の体系図 ~就業規則に矛盾が生じて困っています!
体系図を作成できるようになれば、
自然とこのようなお悩みは消えてなくなっているはずです。
賃金規程外の諸規程は別に規程にするのが特に有効です。
なお、この記事では、賃金規程を掘り下げて別規程にした方が良いかどうかを解説しましたが、
これは、他の規程についても当てはまります。
いや、参照してもらいやすくするためにも別規程にすることが有効です。
以下の記事では、賃金規程以外の諸規程も別規程にした方が良いかについても解説したうえで、
諸規程の作成のポイントの解説もしています。
詳しくは「賃金規程等の諸規程 作成のポイントと料金」
の記事をご覧ください。
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最後まで、お読みいただきありがとうございました。
執筆者
特定社会保険労務士 小嶋裕司
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