【改正民法627条2項】月給制の正社員も退職の申し出から2週間で退職できるようになりました

民放が改正され2020年4月1日から
労働者からの解約の申し入れの場合、

2週間前までに申し出れば正社員であっても
会社を辞められることになりました

「えっ?昔から2週間前でしょ?」
と思われた方も多いのではないでしょうか?

改正前の民法627条2項

実は、法改正前までは、正社員が「会社をやめたい」と申し出た場合
「2週間前までに申し出ればいつでもやめられる」
とは限りませんでした。

おそらく、2週間前までに申し出れば、
正社員も会社を辞められるという誤解が
生じていたのは以下の条文が原因だと思われます。

民法627条第1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

確かに、これだけを見たら
そう思われると思います。

しかし、627条には第2項があります。
この条文が改正されたのです。

(改正前)民法627条2項
期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。

正社員は多くの場合、月給制です。

期間によって報酬を定めています。
したがって、こちらが適用になっていました。

民法627条第2項が
どういうことを意味していたかというと

給与計算期間の前半に退職の意思表示をすれば、
その計算期間の末日を以て労働契約が終了する
ことになるということです。

逆に、その給与計算期間で契約を
終了させたいのであれば、

その前半に申入れをしないといけないということです。

民法627条2項の具体例

少しわかりにくいかも知れませんので、
具体例でご説明します。

例えば、1日から31日までの給与計算期間だった場合、
1月1日から15日までに社員から退職の意思表示がされると、
1月月末で終了します(つまり、社員は会社を辞めることができます)。

しかし、辞職の意思表示が1月16日から
月末までになされた場合、
労働契約の終了は2月末日となります。

つまり、2週間前までに申し出ればいつでも
辞められるということにはなっていなかったのです。

考えてみれば、2週間以上になることが多いですよね。
最大、1カ月半になります。

そのような複雑すぎる法律でしたので、
正社員の就業規則では退職に関して
以下のような曖昧な表現をしている
会社が多かったのでしょう。

「退職しようとする社員は退職届を提出し、
1カ月前までに申し出なければならない」

もちろん、以下のように規定している会社もありました。

「退職を申し出た社員は民法627条2項の手続により
退職をすることができる。」

改正後の民法627条2項

ところが、民法627条第2項が以下のように改正され、
2020年4月1日から施行されています。

改正 民法627条2項
期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない

「あれっ、同じではないか?」

そう、思われたかもしれませんが、
大きく違います。

「使用者からの解約の申し入れは」と限定されました。

ですので、労働者からの解約の申し入れは
改正627条2項が適用になりません。

労働者からの解約の申し入れは、
原則の627条1項が適用になり
2週間前に申し入れれば退職できる
ことになりました。

年俸制の場合の退職の申出

なお、今回は詳細には解説いたしませんが、
627条には第3項もあります。

民法627条第3項
6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、3カ月前にしなければならない。

民法627条2項と比べてみてください。

民法627条2項は
「期間によって報酬を定めた場合」となっています。

第3項は
「6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合」
と限定しています。

年俸制は1年で報酬を定めますので
この条文が当てはまりますよね。

そして、「前項の解約の申し入れは」となっています。

これが、どのようなことを意味しているかはあえて書きませんが、
ここまでお読みの方はわかると思います。

年俸制を採用するメリットって何でしょうね。
年俸制にまつわる疑問(残業代の支払い、メリット、想定した社員)

年俸制は残業代削減という点では全く意味のない制度です。
導入に関してはよくよく検討してください。

法律は体系的に学びましょう

改正前の民法627条2項
のことをご存じなかったのであれば、

他の部分についてもご存じない
ことがたくさんあるはずです。

法律には絶対に知っておいたほうが良いことで
ふれかえっていますが、

その都度その都度、学んでいたのでは
キリがありません。

体系的に学ぶようにしてください。

法律を体系的に学ぶのに1番良い方法

では、どうやって体系手に学ぶかについてですが、
1番良いのは就業規則を丁寧に作成することです。

就業規則には採用から退職まで、
働く上で必要なことの全てのことを網羅して記載します。

就業規則をきちんと作成することは、イコール
法律を体系的に学ぶことにもつながります。

特に、労働法は様々な法律が複雑に絡みますので、

労働に関する法律を体系的に学ぶのに
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しかし、本当はきちんと法律を学んだほうが良い
会社様ほど就業規則をひな形を少し変えただけで作成し、
その最善の機会を逃しています。

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最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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