業種別の法律(労働基準法)の特例~知らずに就業規則を作成するのはヤバいです

労働基準法は全ての会社に適用されます。

しかし、条文ごとに各業種別に
特例があるのをご存知でしょうか?

特例とは「法律ではこのようになっているが、
IT業のシステムエンジニアに関しては

この条文の例外を認める!」というものです

表現は正確ではないのですが、
正確性を優先するとわかりずらく
なってしまいますので、

正確性よりもわかりやすさを優先したお話
だという点はどうかご理解ください。

業種・業務別に特例が認められる理由

では、なぜ、そのような業種・業務別に
特例が認められるのでしょうか?

理由は明白です。

建設業、IT業、運送業、テレビ制作、物販、エステサロン、接骨院、
医療法人、飲食店、芸能プロダクション、製造業などでは
働き方も全く違います。

システムエンジニアとドライバーでは働き方が全く違います。

そこで、その業種ごとに様々な「特例」
やその業種に合った制度を労働基準法(及び通達)
で設けているのです。

業種別の特例の具体例

労働基準法は労働者を保護するものではありますが、
様々な特例があるのです。

例えば、どんな特例があるかというと、
建設業には36協定の時間外労働の限度基準が適用になりませんでした。

もちろん、会社には従業員の安全配慮義務がありますので、
健康を害するようことがあってはいけません。

しかし、1か月の時間外労働を特別条項などつけなくても
36協定に「1か月60時間」「1年636時間」と
書いて提出することができたのです。

建設業に時間外労働の限度基準が適用にならなかった
のにはきちんとした理由があります。

建設業の特例猶予期間の終了と当事務所の対応事例

ただし、その特例も2024年4月1日からはなくなりました。
(そのうえで、新たな特例ができました。)

このように特例は猶予期間を経てなくなることもあります。

当事務所が建設業の時間外労働の上限規制に対応した
事例は以下の記事でお読みいただけます。

対応事例について知りたい方は
以下の記事をお読み下さい。

【事例】建設業の就業規則:社労士が解説する時間外労働の上限規制対応

業種別の特例を知らずに就業規則を作成するのは危険

就業規則(社内制度)は法律というルールの範囲内で
作成しなければなりません。

しかし、業種ごとの特例の存在自体を
ご存じなければ制度を整備しようがありません。

特例の存在は、主に労働時間の部分に多いです。
それは、業種によって働き方が違うからです。

就業規則の絶対的記載事項ですので
就業規則に記載しないといけません。

記載した内容が法律の特例を踏まえたものでないと、
どうなるでしょうか?

まずは、法律を知ることからら始めてください。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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