販売や賃貸を行っている会社は残業対策が特に有効です~1日8時間、週44時間の特例

法定労働時間が他の業種よりも長い業種というのがあります。

つまり、その時間分は残業代の支払いが不要だということです。

法律で認められているにもかかわらず、
意外と知られていない業種としては・・

販売や賃貸を行っている業種で
10人未満の事業場です。

物には動産のみならず不動産も含まれます。

この業種は、1日の法定労働時間は8時間ですが
週の法定労働時間は44時間です。

つまり、労働基準法上週44時間まで働かせても
時間外割増賃金は不要な業種です。

そもそも、この特例が認められていない他の業種よりも
週4時間ほど時間外割増賃金を支払うことなく
多く働かせることが可能です。

変形労働時間制と併用することで
以下のようなシフトが可能になってきます。

週休2日制をとることができるのであれば、
基本は1日9時間とし週のうちで忙しくない1日
(月で言うと+αになります)を8時間として
シフトを組むことが可能になります。

9時間の日は休憩時間を1時間与えることで
拘束時間を10時間と設定することが可能になります。
これは9時出社で19時退社となります。

(週に1日(月でいうと+α)程度は拘束時間は9時間になります。)

しかし、多くの会社でその制度をご存じありません。
わざわざ、法律で業種をしぼって特例が認められているのにです。

建設業、IT業、物の販売を行っている会社、保健衛生業、サービス業
働き方も全く違うのです。

その業種ごとに様々な特例やその業種に合った制度を
労働基準法(及び通達)で設けています。

自社の業界に設けられている特例は
必ず押さえておく必要があります。

自社で会社の所定労働時間を設定する際の注意点

ただ、かなりセンシティブなお話ですので、
自社で行う際には必ずご自身で調べてからにしてください。

例えば、先ほどの物の賃貸には
不動産が含まれると書きました。

では、いわゆる部屋を借りるときの
不動産屋さんがこの特例に該当するでしょうか?

自社に所有権がない不動産を賃貸する場合には
不動産の仲介・周施ということになり、
この特例の事業場には該当しません。

似たような業種に思えるかもしれませんが、
法的には全く異なったものとなります。

週44時間の特例事業場だと思っていたら違っていた・・

そんなことになったら大変です。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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