裁量労働制を事務職に適用できますか?

表題のご質問を受けることがあります。

↓↓まず、裁量労働制については以下の記事をお読みください。
裁量労働制とは何ですか?

結論から言うと、一般的な事務職は裁量労働制
の対象にはなりません。

裁量労働制は以下の二つがあります。

1.裁量労働制には専門業務型裁量労働制
2.企画型裁量労働制

1.の企画業務型裁量労働制は「企画、立案、調査、分析の業務」
が対象となっています。

一般的な事務職は、これらの業務には当たりませんので、
そもそも、対象にはなりません。

実は、この企画業務型の裁量労働制は
導入している会社は極めて少ないです。

導入のハードルがあまりに高いからです。

2.の専門業務型裁量制は、法律で業務が限定されています。

一般的な事務職はその中に入っておりませんので
専門業務型裁量労働制の対象にもなりません。

なお、専門業務型裁量労働制は労使協定を締結して
労働基準監督署に届出が必要です。

どちらにも該当しないので裁量労働制の対象にはならないのです!

いったん、法律の話を抜きに考えてみて下さい!

前述のように、一般的な事務職には裁量労働制の導入は法律上できません。

しかし、仮に、法律上、事務職に裁量労働制を
導入することが可能だったとしても、
(あくまでも、仮の話です。)

一般的な事務職に裁量労働制を導入するのは
デメリットの方が大きいと思います。

裁量労働制の対象者になると1日何時間働いたとしても
労使協定で定められた時間働いたものとみなされます。

しかし、それは、以下のことが条件(前提)になっているのです。

『対象業務を遂行する手段、及び時間配分の決定に関し、
業務に従事する労働者に具体的な指示をしないこと』

つまり、裁量労働制の対象者になるということは
会社が時間配分等に対して具体的な指示をできなくなるということです!

考えてみて下さい!

事務職の社員に、時間配分等に関し指示ができなくなる・・

それは、会社にとって非常に困りませんか?

例えば、今やっている業務よりも
この仕事を優先して(先に)やってほしい!

そういうことが日常的に生じませんか?

もちろん、会社にもよるでしょうが、

事務職の業務には指示をすることが
多くの場合、必要な場合が出てくるはずです。

裁量労働制は文字通りご本人の裁量に任せる制度です。

ですから、時間配分等に関して具体的な指示を
しないことが前提(条件)なのです。

ちなみに。IT企業で働いているシステムエンジニアは
専門業務型裁量労働制の対象になりますが、

・具体的な指示ができなくなるのは困る
・何時までは必ず会社にいてくれないと困る

等々の理由から裁量労働制を導入しないで
労働時間をきっちりとカウントして
賃金を支払っている会社もあります。

法律上の制度を導入する際にお考えいただきたいこと

「事務職に裁量労働制を導入したい」
と思ったからには理由があるはずです。

しかし、お話をうかがうと
他の制度できちんと目的を果たせることが多いです。

自社の抱えた課題・目的を達成する手段
としてどのような制度が適切か?

そういう観点からお考えいただき制度を
導入することが必要です。

そのためには、まず、法律で設けられた様々な制度
を知ることが必要です。

知らない制度の事は検討のしようがないからです。

そして、そのうえで、各制度のメリット・デメリットを
理解することが必要です。

メリット・デメリットは実際に導入した経験がないと
わからないでしょうから、

事例を豊富に持っている専門家に聞くのが1番だと思います。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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