就業規則の採用の規定~提出書類を就業規則になぜ規定するのか?
就業規則には採用の規定があります。
例えば、次のような規定ですね。
第〇条(採用選考時の提出書類
採用選考者は以下の書類を提出しなければならない
しかし、この採用の規定に関して
次のような質問を受けることがあります。
就業規則は従業員に適用されるものなのですから、
採用の規定はいらないのではないですか?
採用の規定なんて就業規則に入れてしまったら
まだ採用されていない選考者にも就業規則が適用されることになって
却っておかしなことになりませんか?
なるほど、鋭い指摘です。
就業規則の書籍などにも理由は書いてありません。
しかし、実際にトラブルを過去に起こした方は
なぜこの規定が必要かよくわかるはずです。
これらの採用の規定は、採用選考者に対して
向けられた規定というより
選考を行う人事担当者に向けての規定です。
勝手な判断で採用を行われては困ります。
きちんとルールを明確にしておき、
この通りの手続で採用を進めてもらう
という意味での規定なのです。
いったん入社してしまった従業員に
辞めてもらうのは大変です。
入社の際の手続きは
慎重すぎるということはありません。
そのような理由から必要なのです。
どこの就業規則の雛形にもある
条文にはすべて意味があります。
なぜ、そのような1文があるのかを理解することが
「どんな条文をつくるか」よりはるかに重要です。
そうでないと、運用できないからです。
最期まで、お読みいただきありがとうございました。
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