割増賃金を計算する際に算定基礎から除外して良い手当は決まってます

割増賃金の1時間の単価を計算する際に
手当を除いてよいかという問題があります。

除いてよい手当は決まっています。

1.家族手当
2.通勤手当
3.別居手当
4.子女手当
5.住宅手当
6.臨時に支払われる賃金
7.1か月を超えて支払われる賃金

以上に限定されています。

就業規則に記載しても上記手当以外は
割増賃金の算定基礎に入れなければなりません。

上記手当が割増賃金を計算する際に
除外しても良い理由については
きちんとした理由があります。

例えば、通勤手当を含めて時給単価を計算しないといけない
ということになったらどうなるでしょうか?

会社から遠い人ほど、残業代の単価が高くなる
というおかしなことになってしまいます。

家族手当も同じです。

ご家族が多い人ほど家族手当が多くなるのはわかりますが、
残業をしたときの1時間の単価が高くなるというのはおかしいです。

そこで、除いてよいということになっています。

この割増賃金の計算をする際に除いてよい手当は、
よく労働基準監督署の調査で指摘される部分です。

なぜ、上記以外の手当でも割増賃金を出す際に
除いてよいと誤解する会社が出てくるのでしょうか?

それは、「手当」という名称に原因がある
のではないかと私は思っています。

「手当」という名称だと「福利厚生」
のような印象を与えてしまうからだと思います。

しかし、それは認められません。

そのようなことが認められてしまえば、
手当という名称をつけ割増賃金の時給単価を
下げることが可能になってしまうからです。

それは、先ほどの表にある手当でも同じです。

例えば、住宅手当という名称がついていれば、
全て割増賃金の単価を計算する際に除いてよい
わけではありません。

除いてよい場合がきちんと決められているのです。

先ほどの除いてよい趣旨(理由)に照らしていただければ、
ご理解いただけると思います。

なお、もちろん、適法に導入された定額残業代も
割増賃金の算定基礎に入れる必要はありません。

定額残業代は予め支払う残業代なので
これを算定基礎に入れる必要はないからです。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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