減給は平均賃金の一日分の半額を超えていけないのですか? ~減給の制裁に該当しない場合は可能です!

労働基準法に少しい方は
減給には法律上の制限額があるのを
ご存知だと思います。

労働基準法91条
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、その総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」

このような制限があります。

しかし、この「減給の制裁」というのが問題です。

「そんなの給料を制作(つまり、罰)として下げることでしょ?」

そう思わないでください。

例えば、以下の場合には、
制裁として給料が下がっていますが、
減給の制裁にはあてはまりません。

交通事故を起こした運転手を助手に降格し、
賃金を助手の賃金に引き下げること
(S26.3.31基発518号)。

この場合には、結果的に、労働基準法91条に
定める額を超えて賃金を引き下げたとしても、

そもそも減給の制裁にはあたらないので
労働基準法91条違反にはなりません。

労働基準法上の「減給の制裁」に該当しなければ、
労働基準法91条が適用になりませんので、
1日の半額を超えてはいけない等の条件はなくなります。

これが、なぜ「減給の制裁」に当たらないか?
については「減給の制裁」の定義とかかわってきます。

きちんと定義づけられるでしょうか?

個別の通達の内容・法律の条文や判例を
覚えるのはとても大切です。

しかし、もっと大切なのは本質的な理解です。

そうでなければ、応用が利きません。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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